Tears〜硝子細工の天使〜


新幹線の時間を過ぎてもなんの連絡もないことに

疑問を持ったよしきからメールが届いた。


『もう乗りましたか?』

かほはそれにも返事をしなかった。


しばらくすると、一度も鳴ったことのない着信音が鳴り始めた。


里沙の携帯に限界を感じ

その時はプリペイド式の携帯を持っていた。


もちろん、よしきしか登録されていない。


着信音も設定されていない携帯電話から


♪ピロロロ… ♪ピロロロ…


聞き慣れない機械的な音が鳴り続けた。


だが、出るわけにもいかない……。