かほは笑いながらわざと皮肉を言った。
「写真立てって、これのことだったんだぁ〜
今まで隠すの大変だったね!
もうこれからは隠す必要ないから安心だね」
すると、よしきはヤレヤレという顔つきで言った。
「隠してなんかいないよ。
アイツが来る時だけ出してた…って言った方が正しいな」
そんな些細な言葉一つ一つに、敏感に反応するかほだった。
もう素顔はわかっている。
このプリクラを見たところで、何も感じなかった。
どのプリクラを見ても
まるで履歴書に貼られた写真が二枚並べてあるだけのような
無表情なものばかりだった。

