もう11月も終わりに近づいていた。
長い間、外に居るとだんだん寒さが身に染みる。
よしきは煙草を吸い終えると
「寒くない?」
と羽織ってきたジャンパーでかほを包んだ。
ずっとずっと愛おしかったよしきが今すぐ傍にいる…
鼓動を近くに感じ
それは傷ついたかほの心を癒してくれる旋律のようだった。
ため息を漏らすようによしきが言う。
「……ずっと…かほに会いたかった…」
切なさが胸を締め付けた。
「だったら、連絡してくれてもよかったのに…」
「だから言ってるでしょ?
僕は酷いことをして君を傷つけた。
どの面下げて連絡できんだよ…」
今更そんな話しをした所で、済んでしまったことだ。
かほはしかたなく黙った。
もうすでに一時間以上は経っている…
気になったかほはよしきに言った。
「戻らなくて平気?」
「ん…あぁ…そうだな」
二人共立ち上がった。
その瞬間・・・
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