Tears〜硝子細工の天使〜


すこしばかり沈黙があった後、かほは思い切って言った。



「…ねぇ、すぐには別れられないとしても

私はよしきが好きだし、会いたいから

あおいさんのいない時、来たらダメかな…」


「そりゃ僕もかほちゃんと居たいよ、会いたいよ?

でも君にそれが我慢できる?

君を優先してあげられない時もあるよ?」



「前、よしき言ったよね?

自分の幸せは自分で決めるって…

だったら私も、今の現状をわかった上で

それでもいいから会っていたいの」


その時のかほは必死だった。


まさか、あおいとの三角関係に

予想以上苦しむことになるなどとは、考えてもみなかった。


ただ、よしきとまた会って楽しい時間を共有したい…

そんな目先のことに捕われていた。