「ずっと忘れられなかった。
忘れようとしても、どうしても忘れられなかった…」
かほは素直な気持ちを打ち明けた。
「俺も一緒だよ。忘れれるわけないよ…」
肩を落とし、ため息をつくようによしきは言った。
「かほは一日だって忘れたことないよ…」
そう言うと
涙が一粒頬を伝った。
「それも、俺と一緒だ」
今度ははっきりとした口調だった。
「じゃあなんであおいさんと付き合ってるの?
何で一緒にいるの?」
咎めるようにかほは言う。
よしきは困った顔をした。
「信じる、信じないはかほの自由だからね。
理解できなくても仕方ないし
それだけのことを僕はしたんだから、信じろとは言わない」
そう言ってゆっくりと話し始めた。