かほは、よしきが自分のことを忘れないよう
なるべくかほに類似する点を《ゆか》に被せていた。
こんな話をすれば私を思い出すかも…
こう言えばあの時のかほの女心を理解し
かほに限らず女というものは
こう考えたり、こう行動したり、感じたりするものなんだろう…
と思わせたかったのもある。
今まで言えなかったことを、《ゆか》が元カレの愚痴を言うように見せかけ
《ゆか》になりすまし本音をぶちまけていた。
よしきは勘づいていただろうか…
《ゆか》がわざと新しい彼氏ができたと惚気た時…
『惚気は聞きたくないから他の人に話して』
という返事が来た。
その時かほはもしや…という気がした。
かほだと知ってて騙されてるフリしてるのではないかと……。
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