近寄って行くかほに気付くと、よしきはかほの方に歩み寄ってきた。
「こんな綺麗な方だったとは…」
驚いたように、テレながらよしきが言う。
かほははにかんで俯き加減に笑った。
それからよしきに促され
二人は車に乗り込んだ。
「どこか落ち着いて話せる所あります?」
とよしきはかほに尋ねた。
かほが思いつかずに首をかしげていると
思い出したように車を発進させ
そこから少し行った、大きな公園の駐車場に車を止めた。
「何か飲みますか?」
よしきは自販機でかほにお茶を
自分にはコーヒーを買って戻ってきた。
緊張のせいか、缶のプルトップを開けられないでいると
よしきは黙って手を差し出しかほの分まで開けた。