Tears〜硝子細工の天使〜


いい結果があれば、報告してくれるだろう。

例えいい報告ができなくても、途中経過くらい報告してくれてもいいはずだ。


気が狂いそうになるほど待っているかほの気持ちなど

到底想像できなかったのだろう。





「すみません、その後どうなってますか?

ちっとも連絡頂けないから、心配で心配で…」



一生懸命やっているかもしれないのに

急かすようで、少々遠慮がちに聞いてみた。



「いや〜気にはなっていたんです。ただ・・・」

阿部は言葉を濁す。


《上手くいってないんだ…》

その雰囲気ですぐに察しがついた。


「落ち着いて聞いてもらえますかね…」


かほの声に鬼気迫るものを感じたのか

安部はそう前置きをした。


「…はい……」

かほはドキドキしながら次に続く安部の言葉を待った。