付き合って半年位経った頃

よしきがセピア色のプリクラを見せてくれたことがあった。

よしきがかっこよく写っていたので気に入って見せたのだろう。


その時、隣に細かいパーマをかけた派手な顔立ちの若い女が一緒に写っていた。


特別近付いているわけでもなく、少々距離を開け

二人はニコリともせず無表情に写っていた。


かほが、誰?と聞くと

よしきは、ツレの彼女だと言った。

「ふぅ〜ん、綺麗な子だね」


とても仲のよい恋人同士には見えなかったので

かほは鵜呑みにし、それ以上追求もしなかった。



後にあおいと話しをした時

「私の写真見たことありません?」

と聞かれ、その時に初めて

あのプリクラがあおいだと知った。


かほはそのプリクラのイメージのまま探偵に話してあったのだった。