――あさっては土曜日だ…。



その日、よしきは必ずあおいの所へ行く。

探偵にはそう伝えてあった。


よしきの住所は勿論、車種や人物の特徴も知らせた。


先ずは、よしきを追跡し、あおいという人物を特定する。

それから、あおいに男性を近付けることになっていた。



その頃は上手くいくことしか考えてなかった。


かほは少しづつ明るさを取り戻し、元気になりつつあった。


だが、驚いたことに、職場で健康診断を受けた時

体重が5以上も減っていた。


心労だけでなく、フルタイムであのハードな保育士の仕事をしていたせいもあるだろう。




かほはあれ以来日課になっていたブラックメールを密かに楽しんでいた。

あの頃と変わらない、他愛のない会話が繰り広げられる…



《別れさせ工作》

そんな汚いことを計画している、卑しい考えとは裏腹に

束の間の幸せを感じていた。