かほが受話器を下ろそうとした瞬間…
「はい、○○探偵社。田中でございます」
中年だが、優しく温かみのある女性の声がした。
「あ…あ…あの、え…っと…」
緊張してシドロモドロになっている。
「あのぅ〜広告見たんですけど…」
「はい、ありがとうございます」
「すごい迷ったんです。
こんなこと…お願いできるのか、わかんないし…
でも、どうしていいか、わからなくて…」
「ご相談は無料ですから、何でも話してみて下さい。できる限りのお手伝いはさせて頂きますからね」
優しい声に誘導されるかのように
かほはためらいがちに口を開いた。

