「自分で自分の傷口を開いてどうするの?!」

祥子のそんな忠告さえ、耳に届かなかった。



かほはメールを止める気はなかった。

現実を知り、悔しくて涙しても

少しでもいい…

メールの上だけでいいから繋がっていたい…

その気持ちが強かった。

だが現実は天国と地獄が、交互にやってくるようなものだった。


あおいが実家から逃げてくる時は、一週間くらいメールができないこともあった。


あおいに絶対みつからないよう気を使っていることに腹が立つ。



《そんなに失いたくないわけ?》



あおいも同じ気持ちを味わえばいいのに…!

二人だけ許せない!!


感情はエスカレートしていく……


かほの頭の中は、その事しかなかった。




どうして私だけ一人ぼっち?


どうして私だけ哀しいの?


ずるい・・・・・


ずるい・・・・・




かほの心はすでにこの時点で病んでいた。



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