ところが、相手もそう簡単に本音など言わない。
知らない相手だからこそ、恥もなくさらけ出せるのでは?
などとは甘い考えだった。
浮かれて返事を期待するかほに届いたメールは…
『もう過ぎたことだから…』
と一言。
《過ぎたこと・・・か》
期待外れの返事に、がっかりし、また腹が立った。
《自分はいいわよ。あおいさんがいるんだもん》
さっきまでの嬉し涙はとうに渇き
苛立ちと悔しさが、フツフツと湧いてきた。
恨んでもしかたないんだ。
これが現実なんだ。
受け入れるしかない…
やりきれなさに今度は悲しくて涙が出る。
それでもかほはメールをやめなかった。
このメールのやり取りは約半年
二人が再び会うことになる後も続くこととなる。
しかし現実を突き付けられるほどに
かほの心は傷ついていく・・・
そしてますますエスカレートして
突飛な行動へと走っていく…
そう…狂った女そのものだった。
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