また、よしきは、離婚を経験し
子供を抱え自立して生きることを
いい経験だ、とも言った。
「これでかほちゃんはもっともっと魅力的になると思うよ。
人間的にも女としても…」
「よく決心したね…
本当に離婚するとは思わなかったよ」
所詮自分では生きていけず、自立する勇気やバイタリティに欠ける…
とよしきは読んでいたようだった。
まだその頃は体も元気だったし
離婚=苦労とは感じていなかった。
それどころか、やっと自由になれた開放感さえ感じていた。
だが、よしきを失って初めて
…というより
《自分が選んでもらえなかったこと》
に大きなダメージと敗北感、そして屈辱感につぶされていった。
次第にかほの心は病んでいく。
誰しも裏と表の顔があるが
かほの心には悪魔が住みつき
やがて体中蝕まれていく…
もう戻れない・・・・・
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