不安が的中して

よしきの自慢の赤いスポーツカーは

そこにはなかった……。


駐車場の真ん中にポッカリと空間が開き

淋しい表情が浮かべている。



《やっぱり・・・》



体中から力が抜ける。

息が苦しくなり

胸が締め付けられ

気が遠くなりそうになった。





――どういうこと?!

私はこんなに苦しいのに

二人は何も変わらずまだ一緒にいるんだ…

私は一人で泣いてるのに

彼等は続いてるんだ…

そんなの、ありえない…!

ずるい!ずるいよ…

―――嫌だよっ!!




かほは現実を受け止められず、パニック状態になった。



そのまま堤防に車を止め

身動きもできずただ茫然と

一台だけ空っぽの駐車場を眺めていた。





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