電話を切った後、興奮醒めやらぬかほは

同じマンションに住む、ママ友達の真由美の家に飛び込んでいた。



ひとしきり、今までの話をし終わると

冷静で現実主義者の真由美が呆れ顔で言った。



「あーあ、これでよしきくんも終わりだね。

佳奈子にも逃げられ、あおいさんにも逃げられるわ」


「だよね、一年も二股だったなんて…

しかも、相手は子供もいる年上で

プロポーズまでしてたんだから…絶対許さないよね!?


証拠が欲しい、ないよりあった方が得だから

なんて言ってたけど、ちょっと怖いよね…」



そう呟きながら

かほはつい数週間前に、よしきと結婚の話をしたことを、ぼんやりと思い出していた。





前の彼女は子供の産めない人だった。

自分は子供が大好きで、どうしても子供が欲しい。

今はまだ自信ないけど、もう少し大人になったら、結婚したいと思ってる。

三年位は待って欲しい…と。



息子とよしきの歳の差は11歳…

かほより、息子との方が歳が近い。


勿論本当に結婚などできるわけがないとは解ってはいても

とても嬉しかった。