Tears〜硝子細工の天使〜



「彼からかほさんの話しは聞いたことあります。

42才だけど30才位にしか見えない。

旦那さんに暴力振るわれて離婚したけど、再婚したって…」


あおいは、よしきの言ってることを信じたい

あなたの独りよがりなのよ…と言いたげだった。


かほは、少しムッとし、キッパリ言った。


「私42才じゃありません。39です。

離婚はしましたけど…再婚はしてませんよ?」


そしてかほは、よしきとの今までの付き合いをおおまかに話した。



誕生日のこと…

クリスマスのこと…

合い鍵をもらったこと…

夜中のデート…



初めて聞く話に

あおいは質問攻めだった。


いくらくらいの指輪?

毎日のように?

合い鍵?




だが二人共意外に冷静だった。

感情的にならず話を進めた。

お互いよしきに対して

《何か不自然で、何かおかしい》

と感じていただけに

相手からの情報は

まるで霧が晴れて行くようだったに違いない。


かほもあおいにライバル心など感じなかった。


それどころか、あおいに現実を知って欲しいとさえ思っていた。