それに順じて、かほの怒りや興奮が増してくる…


そこからはもう

お決まりの修羅場だった。


かほは泣き叫び

よしきも声を荒げた。





最後にかほは合い鍵を投げ捨てた。


絨毯の上を飛びはねて

転がっていく鍵は

自分が無造作に捨てられていく様と重なり合う…


音もなくポツンと部屋の隅に落ちた鍵は

鈍い光を放っていた。



悲しみ、動揺…

傷み、絶望…

そして憎悪・・・・・



錯乱状態になったかほは


「あんたなんか、地獄に落ちればいい!!」

そう捨て台詞を吐き

玄関を荒々しく閉め出ていった。



よしきに何を聞いても、本当のことは言わないし、認めないだろう。

あおいに直接聞いた方が早い……。


不思議とかほはあおいに恨みはなかった。


ただ本当のことが知りたかった…


あおいの口から真実を聞きたかっただけだった。




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