Tears〜硝子細工の天使〜


「あおいさんとメールしてるのはどうして?」


かほは単刀直入に聞いた。


やっぱりそのことか…

よしきはそういう顔をした。

そして、顔色一つ変えず澄まして言う。


「あおいはもう結婚してるよ。

あおいの旦那さんとも知り合いで、この前遊びに行ってきたんだ。

あおいにはかほのことで相談に乗ってもらってるから…

あいつ、俺がかほと付き合ってることも知ってるよ。

それだけだけど?
信じないなら勝手にして」


最後は呆れて、突き放すように言った。


それが嘘だということは

メールの内容をいくつか見たかほには解っていた。

しかしメールを見たとは、とても言えなかった。

「付き合ってるんでしょ?

土曜日の度にいないのは

あおいさんの所、泊まりに行ってるからでしょ?

わかってるんだから!」


「信じないならいいよ。

泊まりに行ったこともあるよ。

でも旦那さんもいるから…

そこへ行ってるんだよ?

もうあおいとは友達なだけだよ。

僕の彼女はかほだけだよ…」



かほは全く信じなかった。

それよりも、白々しく

嘘をつき通そうとするよしきに

無性に腹が立った。