かほは思い出していた。


同窓会の打ち合わせ…と言って

朝方シャンプーの匂いがまだ残る髪をして帰ってきた

約一年前のあの日のことを…


それに、お正月も…


車で三時間はかかるはずの場所のはずが

半分の時間で帰ってきた。

あおいの実家はそれくらいの距離だ。


全てが当て嵌まった。



私、騙されてたの?

この一年・・・



よしきの誕生日は一緒に過ごした。


クリスマスイヴも、クリスマスも一緒だった。


誕生日には絵だって描いてくれた…


なのに、何故??



新たにまた疑問が湧いてくる。





それに・・・



あおいは

バリバリのキャリアウーマンで

ショートカットとパンツスーツの似合う

クールな知的美人だと

いつも聞かされていた。




家庭的とか

女らしいとか

そういったことからはほど遠い

どちらかと言えば

澄ましたいい女風…





それが赤ちゃん言葉でメールをする・・・





様々な憶測が、頭の中でごちゃごちゃに絡み合い

真実が何なのか

真実は何処にあるのか…


今までのよしきの言動全てが

嘘で固められていたのではないかとさえ思えた。