かほには一つだけ思い当たる節があった。


よしきはよく、17歳同士で産んだ友達の子供のことを

いつも羨ましそうに話していた。


よしきは子供が大好きだった。



本当はあおいと結婚していて

子供もいたのかもしれない。


土曜日に出かけるのは

子供に会いに行ってるのかもしれない…



今までのことを総合判断すると

その答えしか浮かばなかった。


《でも…だったら何故隠す?

私だって離婚してるよ?

子供いるよ?》



夫は月一で子供達を誘い

食事に連れて行く。



もしよしきが子供に会いに行ったとしても、全く構わない。

隠すことではないはずだ…



考えれば考えるほど

黒い塊はどんどん大きくなっていく。



本当のよしきの姿が見えなくて

納得のいかない行動の裏には

どんな事実があるのだろう…



不安…

迷い…

憤り…



真っ暗闇の中

どこに光があるのかさえも

かほには分からなくなっていた。




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