それでも、必ず
『明日ならいいよ』
とホローしてくれていたので
思い通りにならないジレンマはあったが
週に2.3回は会うことができた。
それでも何か足らなかった。
満たされない何かを
かほは感じていた。
二人が同じ方向を見ていない気がした…
かほは祥子に相談した。
「土曜の夜になるとでかけることが多いんだ。
ホントはどこいってるのか不安…」
祥子が意外な言葉を吐いた。
「…一回携帯見た方がいいよ?」
かほもそれを考えたことはあった。
しかし、他人の携帯を見る勇気がない。
ましてやプライバシーだ。
してはいけない事だと思っていたし
実際結婚している時も、夫の携帯を一度も見たことはなかった。
だが、この時ばかりは
何を隠しているのか
知りたい気持ちが優先されていた。
胸に大きくのしかかっている黒い塊が
一体何なのか…
確かめずにはいられなかった。
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