よしきは描いた絵を額に入れ

リボンを掛けて手渡してくれた。


かほはわくわくしながら、袋の中から額をそっと取り出した。


描かれている天使の名前と、それがどんな天使なのかが書かれてある、手紙が添えられていた。


最初の一枚は

【アトロポス】

愛など信じない堕天使…

真っ黒な大きな翼を持ち

強さを感じる表情に憧れを感じた。


そしてもう一枚は

【クローソー】

愛することに臆病な天使…

真っ白な大きな翼が特徴で

はかなげな表情は俯き加減だった。



「…気に入ってもらえたかな?」

よしきが不安そうにかほの顔を覗き込んだ。


「うん!もちろん!」

手紙に書かれている天使の言葉は

ため息が出るほどで

夢の世界へと引き込まれていくようだった。



そして改めて

音楽にしても、何にしても

二人の感性が一致することに不思議を覚え

絶対私達は出会う運命だったんだ・・・

と感じられずにはいられなかった。