「女…の人…じゃ…ないよね?」
かほが尋ねると、よしきは自信たっぷりに言った。
「男のツレだよ。なんなら確かめる?」
部屋の方を親指で指しながら、余裕の笑みを浮かべる。
その自信あり気な態度に、かほは怯んだ。
「いいよ、寝てるんでしょ?
それに…私、いないと思ったからすっぴんにパジャマだし。
よしきの友達に、こんなボサボサなの見られたくない…」
「だったら今日は帰りな?
明日から充電器持っていくから。
絶対ちゃんと連絡するから」
安心したのか、急に優しくよしきは言った。
かほはそれに従った。
車の所まで見送ってもらい、窓越しにキスを交わすと、かほはエンジンをかけた。
疑惑がずっしりと重く残ってはいたが
これ以上突っ込むと、よしきが本気で怒りそうで
かほはひとまず、引いた。
引くしかなかった…と言った方が正しかった。