かほはなかなかカンのいい方だった。
直感で物事を判断して、間違っていたことが余りない。
《多分、家にいる》
《でも何故、スノボに行き留守だと、嘘をつく必要があるのか…?》
それだけはどう考えても理解し難たかった。
心の中に芽生えたしこりを
そのままにしておくことができず
夢中で高速を使い車を飛ばした。
よしきのアパートに近づくと、かほはいつもの道ではなく
わざと駐車場が見える方の道を選んだ。
この角を曲がれば、車があるかないか一目瞭然だ。
信号が赤から青に変わる…
かほは祈る思いでハンドルを切った。
《どうか車がありませんように…》
《私のカンが外れますように…》
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