けれども、頭から疑ってかかって、問い詰めることなど できるはずもなかった。 かほにはいつも 《大人の女でいなくちゃ》 という気負いがあった。 細かいことぐちゃぐちゃ言わず よしきを信じて好きなようにさせてあげよう… 正直言って、物分かりのいい女を演じるのは かほにとってかなり苦痛だった。 でも……つまらないことで喧嘩をして よしきを失いたくない…!! ただそれだけだった。