Tears〜硝子細工の天使〜


頭の中に疑問符が飛び交い
ぐるぐる回っている。



思考が上手く定まらないうち


『おかえりぃ!早いね、

今もう踏み切り待ちしてまーす!

先に行って、驚かすつもりだったのにぃ』


かほは平静を装ってメールを返した。



ここの踏み切りは一度閉まると

三回は電車が往復し、しばらく開かない

いわゆる《開かずの踏み切り》だった。



何度も行ったり来たりする電車をボーッと眺めながら

かほの疑問はどんどん膨らみ

気持ちはそれに反して、どんどん萎えて行った。


よしきに真実を追及しても、本当のことなど言わないのは

軽く予想ができた。



こんな気持ちで、どんな顔でよしきと会ったらいいの…?!



そう考えているうちに、電車が通り過ぎ

やっと踏み切りが上がった。