「俺は頑固者だね」
「ん?」
「相川くんが言ったんじゃん。
お前は俺が出会った中で一番の頑固者やって。
でも確かにそうだよ。
俺、自分の中ですげー矛盾してんの。
あの子のこと好きなくせにそうじゃないふりしてさぁ。
教習生だからとか遠距離になるとかいろいろ考えて、何をそんなに頑なになってんのって感じ!
結局会ったら気持ち抑えられなくてわけわかんねーこと言って、彼女をめちゃくちゃに傷付けて最後はホテルにおいてきぼり。
ほんと情けねぇよ……」
自嘲し肩を落とす俺に相川くんは何も言わなかった。
そして少し経ってから一枚の封筒を差し出した。
「何、これ?」
「…里緒ちゃんから。
お前に渡してくれって、頼まれた」
俺は薄いピンクの封筒を受け取った。
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