元カレ対策の恋人ごっこも不発に終わった。
まぁ下手に会ってケンカにでもなったら大変だったし、今思えば良かったのかもしれない。
「相変わらず最低男。
もう関わるのやめなよ?」
日曜日の事を愛加に話すと、予想通りの言葉が返ってきた。
「はい……」
しゅんとする私の頭に愛加の優しい一発が届いたのだった。
「で?吉岡とはどーなった?」
「別にどーもなってないよ」
「両思いなんだから付き合えばいいじゃん」
「そんなんわかんないし。
てか私好きだなんて言ってないんだけど」
目の前には呆れた表情の愛加。
「……はいはい。
そーでしたね」
愛加は頬杖をついて窓の外へ目をやった。
私にはまだ、愛加の真意がわからなかった。
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