「絢音サン」 「コウキ、起き……!」 言葉が終わらないうちに私の唇がカレの唇によって塞がれた。 カレの吸うタバコの味のキス。 それはまるで真っ赤に染まった禁断の果実のように甘い…… 「…もう、コウキやめて」 私は無理矢理コウキから体を離した。 「…つれないなぁ絢音サンは」 カレがにやりと笑う。 「やだ、もうこんな時間! コウキ、私行かなくちゃ」 「そう。 じゃぁ……また。 待ってるね」 カレが少し寂しそうな顔をする。 「また来るわ」 カレの頬に軽くキスをして部屋を出た。 .