「蒼さん!せっ整備隊にこの場所が見つかりました!」

「ふ~ん、で?」

無表情でそう聞き返す男、蒼を見て私は苦笑いを零す。

で?ってなんだよ、で?って。

普通に言えば良いのに、ほんとに子供だ。

「にっ逃げないんですか!?」

悲鳴染みた甲高い声が聞こえその方向に視線を移す。

「うるさい、ちょっと黙れ」

ウンザリしたようにそう言う蒼に私は溜息を吐いた。

「蒼、逃げよう。整備の人に顔ばれるのはやめたほうがいい」

私の至極冷静な意見に「分かったよ」と言い、よいしょっと蒼は立ち上がる。