『悠は……まだ高校生でしょ……私は悠の未来を……奪うことなんかしたくない……でも…赤ちゃんを失うのも嫌……だから…だから…』



流れる涙で真っ赤になった目の瑠璃を俺は再び引き寄せ、そっと抱きしめた。



微かに肩を震わせながら、瑠璃は大人しく、俺の腕の中に埋まっていた。



『……瑠璃だけで…自分だけで苦しんでんじゃねぇよ…』



すっかり暗くなった夜空の下で、



しばらくの間二人でそのまま俺達は抱き合った。



『瑠璃…』



そして久しぶりに瑠璃の唇に、俺の唇が重なった。



『…っ…悠…』



それは、優しく触れるだけでも、温かな思いが伝わるようなキスだった。



お互いに自然に触れて、自然に求め合ったんだ。