『悠は…頑張って…。ラグビーも勉強も…。そして目標の大学に入るのよ』



背を向けたまま、瑠璃の小さな声が聞こえた。



『悠には沢山の可能性がある…未来があるんだから……』



悲しげでいて、優しい声。



瑠璃のいない未来なんかいらねぇよ。



俺がいて、そばには瑠璃がいる。



そうじゃねぇなら、俺はこんなにも弱い奴なんだ。



守ってやるつもりが、いつも、いつでも、



こうして瑠璃に見守られ続けていたなんてさ、



こんな状況になって気づいた俺だけど、



瑠璃、お前を、そして赤ちゃんを、



守ってくのは、この俺しかいねぇだろ?