本当はこんな俺だって、分かってる。



今のままでいても、何の解決にもなっちゃいねぇこと。



瑠璃だって、きっとこんな俺を望まないだろう?



けどさ、俺はこんな風でしか前に進めねぇんだよ。



校舎から出ると、ひんやりとした外の空気が、やけに身にしみるようだった。



校門を抜け、ゆっくりと歩き慣れた坂道を下っていく。



すると、



『……悠っ…??』




背後で懐かしいような、それでいて、愛しい声が聞こえたような気がした。



聞き間違いか……そうだよな??



俺の1番聞きたくて、求めている声が聞こえたように思えた。



そんなはずねぇよな…………幻聴ってやつか?



幻聴なんて……相当、俺…疲れてるってことだな……。



それでも、また、



『悠!!』



今度は、はっきりと聞こえたんだ。