あまりにも耳障りな音に、思わず二人して顔を見合わせる。



「今のって…。」
「チャイムだろうね。」
「さすが妖怪屋敷…。」


「「ぷッ!」」




二人でひとしきり笑ってから玄関に向かうと、不機嫌そうな奈津希がいた。







「…なんで優季がいんだよ。」

「俺が引越し手伝ってーって頼んだから。ねぇ、優ちゃん。」
「うん、そんな感じ。」



密さんと顔を合わせてニヤッとすると、奈津希はなんだか驚いたようだった。



「なに仲良くなってんだ…。」
「奈津希はなにしにきたの?」
「おふくろが、飯できたから密くん呼んで来いって。」
「俺?」
「すっかり家族気分だぜ、アイツ。」
「まー行こうよ、密さん。」


きょとんとしている密さんの背中を押して、我が家へ押し込んだ。


















「あら、優季もいたの?
残念だわー、殿方に囲まれて幸せな食卓になると思ったのに。」



ダイニングに戻ると、心底残念そうな母親が料理を盛り付けながら待っていた。


…この母親は。