「すごい………。」
大小様々、カラフルな何十冊ものそれは、全部絵本だった。
外国語で描かれた物語の上に、綺麗な絵、優しい絵、恐ろしい絵。どれひとつ、同じものなんてなくて。
「これ全部…密さんが?」
「そー、ホラ表紙。"h.kawashima"ってあるじゃん。」
「ほんと…。」
「日本の絵本にはあんまださなかったんだけどね、ちょっと帰ろうかなーって。」
「それで日本に…?」
「うん、あんまり長い間いるつもりじゃなかったからどんなボロ屋でも良かった。」
「妖怪屋敷だって知ってました?」
「あのね、俺、優ちゃんの先輩だよ?けっこうやんちゃだったんだからね。何回も入ったことあったよ。」
片付いた妖怪屋敷で密さんが入れてくれたお茶を飲む。
昨日の私じゃ信じられないよなぁ、密さんとクスクス笑うなんて。
でも、と絵本を見ている密さんの横顔を見る。
変わったのは私じゃない。
この人も、昨日の夜とはちょっと違う。
「そんな見られると照れるー。」
「…っな!ちがっ!」
ぎんぎょーん!
