「嘘じゃないよ、優季、元彼の写メでも見せてやれば?」
「…どーゆう意味だよ…。」
今まで彼氏は二人いた。
両方とも二か月保たなかったけれど。
恋人になると急になんだかめんどくさくなってしまうのはなぜだ、と桐に聞けば、
「そんなのアンタだけだ」とさっきのごとく鼻で笑われた。
「じゃーこの飛香さまがイケメンを紹介してあげようじゃないか!」
「遠慮します、飛香さま…。」
机に乗り上げる飛香様から全力で目をそらす。
桐も窓の外を見ながら、手持ち無沙汰にライターをいじっていた。
ニコチン切れだな。
ったく、これだから不良は…。
「なんでー!?イケメン教えてあげるからー!」
「わけわかんないよ飛香…。私はもう結婚まで恋愛はいいんだって。」
何回か言ったハズだが、その度に飛香はこうして目を丸くする。
「どこのばーさんかお前は!女子高生だろう!イケメンにキャーキャー言わないでどうする!」
「飛香…苦しい…。」
