星に願いを

死んだ人が星になるだなんて、夢見てはいないけど。

焦がれる気持ちは同じだから、織姫と彦星のように年に一度でも会えたら良いのに。

ふと、一つの星が目に付いた。

優しく光るのに合わせて、小さな星が傍で光ってるのが分かる。

ああ、あの星かもしれない、と素直に思った。

滲む視界の向こうで2つの星が笑うように揺れた。

また来るよ。

心の中でそう声を掛けて、僕は現実に戻る為にゆっくりと歩き出した。