「オヤジ!足場これでいいんかぁ?」


「そやな。まぁ春磨にしたら上出来やろ」


俺はオヤジの会社を継ぐ為に本格的に鳶の仕事に着いた。


継ぐって言うより何かに没頭しないとやってられなかったからかもしれん。


元々会社員とか言うサラリーマンには向いてないからな。


この仕事が1番合ってたのかもしれんな。


もう麗奈と別れて2年経った。


アイツの携帯に掛けても繋がらない。


解約したんやろ。


今どこで何をしてるのか分からん。


でもそれでいいんや。


もし・・・俺等が本当に結ばれる運命ならば絶対にどこかで出会える。


それだけが今の俺の支えや。


「春磨。終わったら今日も飲みに行こうかぁ?」


「そやな」


この頃は俺は毎日の様にサトシとつるんでた。


仕事も一緒やしな。


家も隣同士やしな。


何するのもサトシと一緒やった。


昔の族の仲間ともあんまり会わなくなってな。


社会人にもなると人それぞれ生活ってもんがあるからな。


なかなか集まれん。


「今日はドコの店に顔出すかぁ?」


「どこでも構わんがな」


サトシは飲みに行く=キャバクラやねん。