麗奈が腹の子を流してから連絡が無ければ会ってもない。


あっという間に麗奈が高校を卒業する日や。


サトシに頼んで車出してもらって麗奈の高校に行ったんや。


気付かれんようにマトモな私服着てな。


体育館裏で麗奈の卒業式を終わるまでずっと・・・見てたんや。


ある意味怪しい人やな(汗)


そこまでしないと麗奈を見れん。


式も終わって帰る時も麗奈の友達といつまでも校門の前で泣いてた麗奈。


本当ならば俺も「卒業おめでとう」って言いたい。


けど物陰から麗奈を見てるだけで精一杯や。


麗奈を見れて満足して家にサトシと帰った俺。


「ほんまに声かけんでええんか?」


「あぁ。ええで。かけても逃げられるだけや」


「春・・・気張れや。もっと気張れな」


サトシはよく「気張れ」って言うんや。


落ち込んだ時、辛い時、悲しい時。


そんな時余計な言葉を言わんで「気張れ」だけ言うんじゃ。


「気張ってるがな。気張り過ぎてはちきれそうや」


この日も晴天で太陽の光で周りは眩しかった。


太陽を背中に感じて俺等は麗奈の高校を後にしんや。