【完】青春PLAYBALL!!

「美和子姉ちゃん。私のお姉ちゃん。あ、ほら」


柚はブンブンと手を振った。


柚の見つめる方向を見ると、黒須先生の後ろに背の高い女の人が見える。

黒須先生ががっちりしているからか、余計にすらりと長く見えてしまう。

ロングヘアーがさらさらなびいて、風にふわふわ揺れている。


「似てないね」


「失礼な、めっちゃ似てるから!顔のパーツはほぼ一緒だよ」


柚は眉間にしわを寄せ、肘で俺をどついた。


「もしかして髪の毛で判断してる?美和ねえのあれはストレートパーマなんだからね」


何で考えてること分かったんだ?

もしかしていつも言われてるのかな?


「柚!二人分持ってきたよ」


美和子さんは、右手にもっていた手提げのバックを高くあげ、柚に笑顔を向けた。


綺麗な人だな。

年上の女の人と接するのって滅多にないかも。

そう思いつつ俺は自分の姿にハッとする。

ランニングシャツだ。

俺はスポーツバックから急いでワイシャツをとりだし、サッと羽織った。