柚と二人でキャッチボールをしていると、柚が言ったように黒須先生の車が校門に入ってきた。

俺がその様子を気にしていると、柚もボールをグローブの中にしまい、後ろを振り向いた。


「あ、きたきた。今日はキャッチボールまで出来上がってるしノックしてもらおうか」


柚が息を弾ませながら俺の方へ走ってくる。


「いつもは黒須先生とどんな練習してるの?」


「いつもはね、トスバッティングとか軽めの練習してもらってるよ。だけど、今日からは木波がプラス1だから、ガッツリできるよ!」


「マジ・・・・・・?俺結構キツイんだけど。腹も減ったし」


俺はお腹に手を当てた。
何も入ってないからいつもよりもへこんでいる。


「あ、それなら大丈夫。美和ねえが何か持ってきてくれるから」


「みわねえ?」