「分かるよ。昨日すぐ登録したから画面に名前出たし」


「そっかそか。ところでさ、今木波の家の前にいるんだけど、すぐ準備して出てこられる?」


「・・・・・・ちょっと待って。意味わかんないんだけど。家の前ってどういうこと?」


「え?いや、そのまんまの意味だけど。木波の家の前。てかさ、てかさ、玄関にある犬のポスト可愛いね」


「は!?」


俺は部屋のカーテンを開け、玄関先を見た。

そこには自転車にまたがるジャージ姿の柚の姿が見えた。

嬉しそうに玄関に置いてある犬のポストを笑いながら見つめている。


俺は慌てて窓を開けた。

その音に気づいた柚が、ふいっと顔を上げる。