「うん・・・だからさ、もうごめんなんて言うな。お前の気持ち分かったから」


「・・・・・・ありがとう木波。なんかちょっと泣けた」


柚の目は本当に少し潤んでいた。

柚は恥ずかしそうに袖口で目を押さえながらにっこり微笑んだ。


「さ、汐崎。キャッチボールするべ。時間もったいないもんな」


「うん!」


俺と柚はマウンドに向かって走り出した。



昨日の夜降り続いた雨はすっかり晴れて、太陽は夏に向かって、高く高くあがっていた。