職員室から出ると、修平が丁度階段を駆け下りていくところだった。


「高校生にもなって廊下走るなよ」


修平が、俺の声に気づいて足を止めた。


「お前ってそういうとこ真面目だよねぇ」


修平は怪訝そうに眉をゆがめて、口をとがらせた。


「今から行くのか?」


「ん?ああ、部活?そうだよ。なんか嬉しくってさ」


修平は練習着が入った大きなバッグを背負いなおした。


「あれ?今日見学だけなんだぜ」


「え?マジで!?」


「お前、昨日の説明会で何聞いてたんだよ……」


「いやあ。汐崎のこと考えてたから、そこらへんまったく聞いてなかったわ」


修平の台詞に、俺はドキッとした。