四球目。





カーーーーン!






三先の懇親のストレートを、俺はバットの芯にあて、弾き跳ばした。

打球はどんどん伸びていく。


「・・・・・・っしゃあ!!!」


俺は拳を天高く掲げ叫んだ。



いける!!!



柚がホームベースを力強く、噛みしめるように踏む。


「和由い!いける!帰ってきて!!」


柚はサードベースを蹴った和由に向かって叫んだ。


和由は余裕でホームイン!


「やったーーーー!!」


柚は帰ってきた和由に抱きついた。


「おっしゃああ!!!」


和由も叫んだ。


「やった・・・やった!!!!」


ベンチにいたみんなも飛び出す。


「木波!行こう!」


ファーストとセカンドの間で見守っていた俺の元へ、宮田が駆け寄る。

いつもは泣かない宮田が泣いている。




だけど笑ってる。




宮田だけじゃなくみんなが。








そして柚が。






「尚哉・・・・・・!ありがとう!」







「俺も!ありがとう、柚!」




俺と柚は抱き合って喜びをかみしめた。





最後の夏。

俺たちは甲子園出場を決めた。