まずは一球見送る。


「ストラーイク!」


三先も俺が見送るのは分かっている。

確実にストライクのカウントを奪う。


その間に和由はセカンドへ進塁する。



ワンアウト2、3塁。


ワンヒットが出れば逆転だってありえる。



二球目。


「ボール!」


ひとつ息をつき、構える。


三先の足下にポツ、ポツと小さな点が出来ては消える。


100球以上投げている三先。

しかも全力投球だ。

疲れが出ていて当たり前だ。




三球目。




パアァアアン!!




弾けるような音。

疲れているはずなのに三先のボールは伸びてくる。


「ストラーイク!」


ドンッドンドンドンドン!

土根の応援席に熱気が渦巻く。




俺は追い込まれた。

だけど、俺は全く焦ってなかった。



だって、絶対勝つんだから・・・・・・!