とがったような記者達の言葉。

次々に黒須先生に向かっていく。



あいつら柚のことも・・・黒須先生のことも分かってないくせに!




俺は素振りをしていたバッドをその場に投げ、記者の元へと進み出た。


「待って!尚哉」


俺は柚にギュッと腕を捕まれた。


「私が行く。私のせいだし」


柚は唇をきゅっと結ぶと、記者達の前に進み出た。


「すみません、私からお話します。黒須先生・・・いいですか?」


「いいけど、お前は大丈夫なのか?」


柚はコクンと頷いた。



俺たち野球部員達は柚を見守った。


「汐崎選手。まず、あなたが女子野球の代表を辞退したのは本当ですか?」


「はい。本当です」


「それは故障が原因ですか?」


「いいえ。故障はありません。今回は出場出来ない理由があった。それだけです。」


柚は動じることなく、淡々と、記者達の質問に答えていく。