【完】青春PLAYBALL!!

「尚哉、ちょっといいか」


先輩達との別れが一段落した後、俺は野田先輩に呼び止められた。


二人でベンチに座りながら話し込む。



「お前、最近身長伸びたよな。体に不調はない?」



そうなんだ。

俺は去年の夏から7㎝ほど身長が伸びた。


「そんなに違和感とかはないですよ」


「そっか、ならよかった。ちょっと心配してたんだ。不調ないなら、もうちょっと下半身鍛えろ。ちょっぴりひょろひょろしてるからな」


野田先輩は俺の太ももを掴み、ケラケラと笑った。


「それと、気持ちで負けるな。もっと自信もって投げろよ。お前はいーっつもどこかで調子狂うからな」


「はい。すいません」


野田先輩は、パンと俺の太ももを叩くと、立ち上がり背伸びをした。


「じゃあ、またな。またどっかでバッテリー組めるといいな」


野田先輩は卒業証書をブンブンと振り、その場を去っていった。