【完】青春PLAYBALL!!

3月。


今日は卒業式。

野球部からは4人の先輩達が去る。


このメンバーで最後となる円陣は、まだ雪が所々残るマウンドの上で行われた。


新キャプテンとなった修平が代表で言葉を贈る。


「野田先輩、オダジ先輩、加藤先輩、そして女王・・・じゃなかった大沢先輩。先輩達は受験で忙しかったにも関わらず、人数の少ない俺たちを気遣って、練習に来てくれました。本当に嬉しかったです。ありがとうございました」



ありがとうございました!



みんなが修平の後に続いて、グラウンドいっぱいに響く声で叫んだ。


「まあ、全員合格だったんだし、気にするな。てか・・・汐崎、相川。お前ら泣きすぎ」


野田先輩が困ったように微笑んだ。


俺のとなりにいた柚は、涙を必死で堪えようとしているみたいで、俺のブレザーの裾をキュっと握っていた。


泣きやむかなと思って、ブレザーを掴む柚の手の甲にそっと触れてみたけど、泣きやむ気配はまったくなかった。